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Copy right: Hirohisa Hara: ( updated: 2021/10/20 )
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 Projects
 飛翔体を使った太陽観測研究   原は太陽の観測的研究を行っており, 一人で研究する場合もあれば, 同僚・他大学の方や大学院生・ポスドクと共同研究することもあります. これまでにない新しいデータで研究をする場合は, 共同で一つの観測装置の実現を目指します. 私自身が深く関わっているプロジェクト, 同僚と進めてるもの, そして若手研究者を支援する形で参加しているプロジェクトのほか, すでに実現できた「ひので」の観測装置で新たな研究を進めているものがあります. 新たな観測装置の実現に向けた試みはいくつかあり, 私は衛星計画を準備しつつ, 同僚の若手研究者が主体となっている計画にも関わっています. このため当研究室の大学院生となる場合は, これらの計画への参加が可能です. 現在は多数の衛星が様々な波長で太陽を観測している時代であり, そのデータは公開されていますので, 大学院生が科学研究に必要なデータに困ることはありません. 2020年代の中頃の打ち上げを目指して, ひので衛星の後継機となる衛星計画を準備していますが, その前にいくつか小規模の飛翔体太陽観測が準備・計画されています. これらは, 観測装置の製作へと進みながら, 順次実施している段階です. 若者には大学院生のうちにこのような計画に参加してもらいたいと思います. Solar-C_EUVST小型衛星計画 
2008年頃から, ひので衛星の後継機となる次期太陽観測衛星を準備してきました. ひので衛星の倍の口径をもった光学望遠鏡による観測計画を進めましたが, さまざまな理由で早期の実現は困難な状況となりました. この規模の大きな計画で予定していた一部の新規観測をより小さな規模で先行して実施しようとして準備しているのが、Solar-C_EUVST小型衛星計画です。星の外層大気は表面より加熱されて高温となっています. この加熱域の微細構造を明らかにし, そのエネルギー源である表面磁場との関係を明らかにすることを一つの科学目的に据えています. また, 太陽面爆発フレアのエネルギー解放域の機構を高い解像力で調査します. この計画で使用する観測装置は, 極端紫外線から真空紫外線域を観測波長とする撮像分光装置となります. これを日本・米国・欧州各国で国際協力を通して開発します. そして, 観測装置をJAXAの小型衛星に搭載して, 鹿児島よりイプシロンロケットで打ち上げて観測軌道に投入しようという計画です. 2020年代半ば過ぎ頃に軌道上での観測開始を目指しています.
 Solar-C_EUVST小型衛星
Sunrise-3気球実験計画  高精度の偏光分光観測より光球・彩層域の磁場を, ドイツの気球実験Sunriseの3回目の実験時に実施しようという計画です. 日本側のリーダーは, 同僚の勝川行雄 准教授です. 気球実験の実施時期は2022年夏頃を想定しています. 気球は北欧から飛び立った後, カナダで回収されるまでの約1週間の間に白夜の中を飛翔しながら, 高度約35kmから太陽観測を行います. この気球実験で日本のグループが中心となって開発するのは磁場観測装置ですが, これはドイツ・スペインのグループと国際協力して開発するものです. 2020年5月現在, 国立天文台にあるクリーンルーム内でこの磁場観測装置の組み立てが進行中です.
CLASP観測ロケット
紫外線領域にある輝線スペクトルの偏光観測から, 太陽表面の光球と100万度のコロナ間にある中間領域の磁場測定を目指した 観測ロケット実験です. 米国の観測ロケットを使用して, 弾道飛行中の約5分間で観測を行うものです. この観測装置はカメラと分光器部の凹面回折格子を除いて国内で開発しました. 1号機の飛翔実験を2015年9月3日に米国のホワイトサンズロケット実験場で実施し成功しました. 回収した装置を改良した2回目の飛翔も2019年4月に実施して成功しました.  CLASP観測ロケット実験計画  Sunrise大気球と開発中の磁場観測用偏光分光装置
CLASP-1 実験 2008年より準備を開始し, 2015年9月3日に飛翔実験を実施した計画です. この実験では, 遠紫外線領域にある水素のLα輝線の直線偏光観測で彩層上部から遷移層領域で磁場情報を取得することにありました. 0.1%という高精度を要する観測に成功して, 目下得られたデータの評価が進んでいます. 同僚の鹿野良平 准教授(飛翔実験当時は助教)が計画の日本側リーダです. 私が指導した大学院生がこの装置の偏光較正に使用する光源開発を担当しました.
CLASP-2 計画 1回目の飛翔実験に使用した観測装置は砂漠で回収され, これを改良して2回目の実験を2019年4月に実施しました. 2回目の実験は石川遼子 助教が日本側リーダーとなり, 280nmにあるMg II輝線で実施・成功した世界初の偏光分光観測となりました. 2回目の実験も成功し, 取得された偏光分光観測データから彩層域の磁場評価が進行中です.
ひので衛星等の既存衛星観測による新しい研究  Researchのページにある研究のほかに, ひので衛星や他衛星, 地上の光学観測や電波観測などで取得したデータをもとに, さまざまな研究を進めています. 主としてコロナを中心に研究を展開しますが, 関連する他のデータを見ている間に思わぬ発見をすることがあります. 以下のデータを使った研究を進めています. GOES衛星, ようこう衛星, SOHO衛星, TRACE衛星, RHESSI衛星, ひので衛星, STEREO衛星, SDO衛星, IRIS衛星, 地上コロナ観測所, 野辺山電波観測所
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