お知らせ

第12回「ひので」科学会議

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 「ひので」は、打上げから今年で12年が経過し、日本で最も"長生き"な太陽観測衛星となりました。この12周年を祝う場所として、アラブと西洋の文化が融合した建築物が数多くあるスペイン・グラナダが選ばれました。この地にて、太陽研究の最新成果を議論する「第12回「ひので」科学会議(Hinode12)」が9月10-13日に開催されました。
 140人以上の研究者が集まり、4日間に渡って毎日20件以上の口頭講演とポスター発表を通して、活発な議論が交わされました。なかでも、宇宙天気の予報能力改善に向け取り組まれている"太陽噴出"に関する研究や、数値シミュレーションと協力して進められている「ひので」偏光観測データに基づいた"磁場構造のモデリング"は、特に注目を集めました。また、太陽観測を開始したALMAなどの地上望遠鏡や最近実験が行われた観測ロケット「Hi-C 2.1」・「FOXSI 3」の報告では、「ひので」との連携観測研究が重要な役割を果たすことがわかりました。結果として、最も重要なトピックと私が感じたのは、多岐にわたる将来宇宙ミッション・大口径地上望遠鏡に対し、「ひので」が如何にそれらと研究連携するのか、という点です。例えば、今年打上げられたNASAの探査機Parker Solar Probeは、「ひので」との共同観測が迫っています。この探査機は、太陽に接近して"その場"観測を行いますが、観測点と磁気的に結びつく太陽の微細磁場構造の診断は、現状「ひので」でしか成し得ません。また、太陽観測で最大口径となる地上望遠鏡「DKIST」は来年ファーストライトが予定され、「ひので」との共同観測が強く求められています。さらに、日本主導で開発が進められている小規模プロジェクト「CLASP 2」・「Sunrise-3」でも、「ひので」による支援が必須です。このように「ひので」による高精度な宇宙観測は、連携して物理現象の解明に必須な情報を提供しているのです。
 さらなる太陽の理解を目指し、「ひので」の次の衛星が計画されています。それは「Solar-C_EUVST」です。この衛星は、太陽の活動が極大となる 2024-2026年の打上げを目指しており、最近JAXAの"ミッション候補"として採択されました。我々は、今まさに日本が牽引する太陽物理学の黄金時代に立っています。「太陽活動の変遷」や「爆発現象の物理背景」を理解できれば、それらが地球へ及ぼす影響への理解も大きく深まるに違いありません。

(カルロス キンテロ・ノダ, (訳)大場崇義、ISASニュース2018年10月号(No.451)より転載)

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