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庄田宗人 研究員が国際天文学連合博士論文賞を受賞

 国立天文台 太陽観測科学プロジェクトの庄田宗人 (しょうだ むねひと) 日本学術振興会特別研究員が、2019年の「国際天文学連合 博士論文賞」を太陽・太陽圏部門において受賞しました。この賞は、前年に出版された天文学研究の博士論文の中から国際天文学連合 (International Astronomical Union, IAU) が優れたものを選び、各部門1名の研究者を表彰するものです。庄田研究員は受賞対象となった論文「減衰不安定とアルフベン波乱流により駆動される高速太陽風」で、2019年に東京大学大学院 理学系研究科において博士号を取得しました。

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国際天文学連合博士論文賞を受賞した庄田 宗人 研究員(クレジット:国立天文台)

 庄田研究員は、太陽からのプラズマガスの放出現象である「太陽風」のメカニズムをスーパーコンピュータを使った数値計算によって明らかにしようとしています。太陽風が放出されるメカニズムは多くの謎に包まれており、特に太陽の高緯度領域から放出される高速の太陽風は、その加速機構が大きな問題となっています。庄田研究員は、太陽風の3次元磁気流体シミュレーションを世界で初めて行い、プラズマガス中に発生した衝撃波と乱流の相互作用が太陽風の加速に大きな影響を与えていること [図、動画] を博士論文としてまとめました。この世界最大規模となる太陽風のシミュレーションには、国立天文台の天文学専用スーパーコンピュータ「アテルイⅡ (ツー)」が用いられました。 庄田研究員が解明した太陽風の加速機構は,太陽のみならず恒星物理学においても重要な知見となります。

 今回の受賞に際して庄田研究員は,「博士課程在学中の苦労が評価されたことを嬉しく思います。私の指導に携わっていただいた東京大学の先生方、また惜しみなく計算資源を提供してくださった国立天文台 天文シミュレーションプロジェクトの方々に深謝申し上げます。太陽風研究は今まさにその重要性を増してきているので、満足することなくより挑戦的な研究に励みたいと思います」と喜びと今後の抱負を語っています。

 授賞式は、2021年8月に韓国・釜山 (プサン) で開催されるIAU総会にて執り行われる予定です。

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図・動画. 太陽の極付近で起こる太陽風の3次元磁気流体シミュレーション。左側に太陽があると仮定し,そこから放出されたプラズマガスの速度を表している。赤い色ほど速度が速いことを表す。高温ガスの圧力と磁場の力により太陽風が加速される様子がシミュレーションによって初めて描き出された。(クレジット:Shoda et al., 2019, ApJLより改変)

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