太陽コロナを実験室から探る
電気通信大学コヒーレント光量子科学研究機構レーザー新世代研究センターの中村信行教授と国立天文台SOLAR-Cプロジェクトの原弘久教授らの研究グループは、太陽コロナ (上層大気) に存在する特殊なイオンを実験室で生成することに成功しました。このイオンのスペクトルを調べることで、太陽観測衛星による太陽コロナ研究のうち、特に電子密度を調べる手法を評価することができます。
研究グループは、アルゴン (Ar) 原子が持つ 18 個の電子のうち、 13 個を剥がした Ar 13+ という特殊なイオン (多価イオン) を実験室の小型装置で生成し、その極端紫外 (X線に近い波長を持つ紫外線) スペクトルを測定しました。このイオンは太陽コロナ、特にその中でもエネルギーが爆発的に解放されるフレア (太陽面爆発) が発生する活動領域に存在します。太陽観測衛星「ひので」では、このイオンの発するスペクトルから電子密度などの重要な情報を読み取ります。そのため、実験室でこのイオンのスペクトルの性質を評価することにより、フレアを含む太陽コロナの活動的な領域を正しく解析できるようになると期待されます。
本研究の成果は米科学誌「The Astrophysical Journal 」に掲載されました。詳細は、電気通信大学のウェブリリースをご覧ください。
https://www.uec.ac.jp/news/announcement/2022/20220301_4227.html
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