「ひので」衛星が見た「水星の太陽面通過」
ひので 可視光・磁場望遠鏡による静止画
2006年11月9日日本時間の早朝から朝にかけて、 水星が太陽の前を通り過ぎる現象である、水星の太陽面通過がおきました。 早起きされ、観測された天文ファンの方も多かったでしょう。
「ひので」衛星も、衛星を水星が通過する太陽面に向け、 この現象の観測を行ないました。 上図は、可視光・磁場望遠鏡(SOT)が観測した第2接触直後の画像です。 水星が、画面左から右へ移動してきており、 ちょうど水星全体が太陽面に入り、 丸い水星の輪郭がはっきり見えています。
カラー静止画(白黒のデータに色を付けました)(時間は日本時間)
第1接触 4:12:27 第2接触 4:13:18 6:38:35 第3接触 9:08:02 |
4:13:02 4:14:41 |
ひので 可視光・磁場望遠鏡による動画
(画像をクリックするとムービーが再生されます)
全体表示、縮小 3分20秒を3秒に短縮
水星を拡大 3分20秒を3秒に短縮
このムービーはデータ取得後の較正を行なっていない、 生のデータを動画にしたものです。そのため 画面内に段差があったり、画像全体がずれていたりしますので、 ご了承ください。
ひので X線望遠鏡(XRT)による静止画
上図は、おなじく「ひので」衛星に搭載されているX線望遠鏡(XRT) で観測された水星の太陽面通過の画像です。 3回の連続で観測した画像を、上から時間順に並べています。 X線を放射するコロナは、 太陽表面より宇宙空間に広がっているので、 水星が太陽面にかかる前から、 コロナからのX線を水星が遮断してところが見えています。
ひので 極端紫外線分光撮像装置(EIS)による静止画
鉄の輝線(FeXV:284Å)画像。約200万度のコロナを見ている。
画像中の白い線は太陽のふちを示している。
こちらも接触前の水星が太陽コロナからの極端紫外線を遮断して いるところが見えています。
ヘリウムの輝線(HeII:256Å)による太陽面を通過する水星画像。 各画像は横方向 40秒角のものを時間経過とともに左から右に並 べた。
水星の位置は、高い精度で予測できるので、 「ひので」衛星チームではこれらの画像での水星の輪郭を利用し、 3つの望遠鏡が向いている方向をあわせる調整を行なう予定です。
水星の太陽面通過の解説は、 国立天文台・水星の太陽面通過 に詳しく書かれています。
当ページの画像、映像のご利用については、こちらをご覧ください。当ページの画像、映像でクレジットが明記されていないもののクレジットは『国立天文台/JAXA』です。当ページ内の、クレジットが『国立天文台/JAXA』、『国立天文台/JAXA/MSU』および『国立天文台、JAXA、NASA/MSFC』である著作物については、国立天文台が単独で著作権を有する著作物の利用条件と同様とします。著作物のご利用にあたっては、クレジットの記載をお願いいたします。なお、報道機関、出版物におけるご利用の場合には、ご利用になった旨を事後でも結構ですのでご連絡いただけますと幸いです。ご連絡はsolar_helpdesk(at)ml.nao.ac.jp((at)は@に置き換えてください)にお願いいたします。