平成25-29年度 科学研究費補助金 基盤研究 (S)
「太陽コロナ・彩層加熱現象に迫る-ひので・IRIS・CLASPからSOLAR-Cへ」

トップイメージ

IRIS

科学目標

IRIS衛星 外観図

太陽活動の鍵となる波動やジェットなどの彩層の動的現象について、「ひので」では得られないその物理情報(温度・密度・速度)を、「IRIS」が初めて明らかにします。 そして、太陽表面の対流運動がどのように外層大気の活動にエネルギーを与えているのかを明らかにしていきます。

  1. 彩層やコロナを加熱するエネルギーはどのように流れているのか?
  2. 彩層を介してどのように太陽風にエネルギーや質量を供給しているのか?
  3. 磁気浮上がどのように太陽フレアやコロナ質量放出を引き起こすのか?
「IRIS」の観測は、次なる太陽物理学のフロンティア『彩層・遷移層の磁場構造と、そこで起こる動的現象との同時観測』へ挑む、最初の一歩であり、この後続く「CLASP」「SOLAR-C」の計画への布石となります。

観測波長

分光器系 観測波長

Band Wavelength (Å) Dispersion (mÅ/pixel) Effective area (cm2) Ion Wavelength (Å) Temp (log T)
FUV1 1331.7 - 1358.4 12.98 1.6 C II 1334.5 4.3
C II 1335.7 4.3
Fe XII 1349.4 6.2
Fe XXI 1354.1 7.0
O I 1355.6 3.8
FUV2 1389.0 - 1407.0 12.72 2.2 Si IV 1393.8 4.8
O IV 1399.8 5.2
O IV 1401.2 5.2
Si IV 1402.8 4.8
NUV 2782.7 - 2835.1 25.46 0.2 Mg II k 2796.4 4.0
Mg II h 2803.5 4.0
Mg II wing 2820 3.7 - 3.9

スリットモニター系(SJI) 観測波長

Bandpass Name Center (Å) Width (Å) Effective area (cm2) Temp (log T)
C II 1330 1340 55 0.5 3.7 - 7.0
Si IV 1400 1390 55 0.6 3.7 - 5.2
UV broad 1600W 1370 90 - -
Mg II h/k 2796 2796 4 0.005 3.7 - 4.2
Mg II wing 2832 2830 4 0.004 3.7 - 3.8
Glass 5000 5000 broad - -

観測機器

紫外線望遠鏡と分光器系・スリットモニター系より構成されます。

望遠鏡

形式直入射型反射望遠鏡 (カセグレン式)
コーティング紫外線2バンドの多層膜コーティング
口径20 cm
分解能0.33 秒角

分光器系

形式ツェルニ・ターナー型
視野170秒角 x 0.33秒角 (スリットサイズ)
遠紫外線帯1332 - 1358Å, 1390-1406Å
波長分解能40mÅ
有効面積2.8cm2
波長サンプリング12.5mÅ
近紫外線帯2784 - 2835Å
波長分解能80mÅ
有効面積0.3cm2
波長サンプリング25mÅ

スリットモニター系

形式スリットミラーで反射
フィルター/ミラーで観測波長を切替
視野170秒角 x 170秒角
遠紫外線帯1332-1370Å, 1370-1406Å
有効面積0.7 cm2
近紫外線帯2796Å, 2831Å
有効面積0.005 cm2

衛星諸元

総質量167kg
観測機器 90kg
衛星バス 77kg
姿勢3軸太陽指向制御 衛星ロール姿勢変更可能
軌道太陽同期極軌道
通信X-band 10Mbps
打上ロケットペガサスXL