次世代太陽観測衛星 SOLAR-C
彩層の磁場観測とコロナの高解像度観測による、
太陽の磁気活動の全貌の究明
太陽大気は表面の光球から彩層・遷移層・コロナと上空に行くにしたがい 熱い温度構造になっており、 それを維持するため、太陽フレアのような大きなスケールから小さなスケールまで、いたるところで加熱機構があると考えられています。 これらの活動は元を辿れば太陽内部の対流運動で作り出される磁場のエネルギーが源ですが、どのようにしてこのような活動的な大気が生み出されるのかについては、実際のところよく分かっていません。
太陽で観測される活動現象を理解するには、光球からコロナまでの太陽大気を磁場により結合された一つのシステムとしてとらえる必要があります。 光球とコロナを結合する上で特に重要なのがその二つの領域を仲介する彩層領域の磁場の情報です。 さらに、光球- 彩層- コロナの構造をスムーズにつなぐためには、解像度の高いコロナ観測が必要となります。
SOLAR-C 衛星では、
- 偏光分光観測による光球と彩層の磁場の測定、および彩層磁場からのコロナ磁場の導出
- 「ひので」衛星を大幅に上回る解像度でのコロナの観測
- 彩層とコロナの分光観測による微細スケールのダイナミックスの捕捉
太陽物理学分野のサイエンス課題
その他、下記に示すサイエンス課題が太陽物理学には残っています。- 彩層・コロナはどのように加熱されているのか
- 太陽風はなぜ吹き出すのか
- 彩層に見られる多様な磁気構造はどのように形成されているのか
- 太陽フレアのような爆発現象はどのように発生するのか
- 太陽の磁気周期はどのように生み出されているのか