平成25-29年度 科学研究費補助金 基盤研究 (S)
「太陽コロナ・彩層加熱現象に迫る-ひので・IRIS・CLASPからSOLAR-Cへ」

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SOLAR-C 活動状況

出張報告

飯田佑輔
日程: 2015年2月16日~3月16日
場所: スペイン・Institute de Astrofisca de Canarias

HAZELコードによる理論式の確認
滞在中のデスク

スペイン、カナリア諸島にあるInstitute de Astrofisca de Canariasに、およそ1ヶ月間滞在しました。今回の滞在では、これからの太陽観測でキーとなるハンレ効果の理解を目標としました。具体的にはハンレ効果の基礎物理の理解と、現在ハンレ効果を取り入れた唯一の輻射輸送計算コードであるHAZEL (HAnle and ZEeman Light)コードによる偏光計算スキル取得です。到着して第1週目はハンレ効果の基礎物理についてJavier Trujillo Bueno教授との議論で学びました。世界の最先端で、ハンレ効果の理論研究を行っている方の捉え方を学ぶことで、その基礎物理をクリアに捉えることができるようになりました。第2週目では、Asensio Ramos研究員とHAZELコードを用いての理論式の確認、またコードの原子モデルの書き換えを行いました。これらにより、理論的な理解から、実際のケースに適用できるようになりました。後半の3-4週目では過去論文の再現や実際に地上観測で撮られたデータの解析を行いました。今回の滞在では、観測データの解析を開始したところで帰国となってしまいました。滞在後も、Javier Trujillo Bueno教授、Asensio Ramos研究員とは継続して議論を行って解析を続ける予定です。

(2015/4/27)

勝川行雄
日程: 2013年8月25日~26日
場所: SPIE Optics + Photonics 2013 (アメリカ合衆国 サンディエゴ)

(上図) 試作した面分光装置(IFU)の要素試験モデル(H24年度別経費で製作)
(下図) 面分光装置で用いる32μm幅矩形コアファイバーアレイ

SPIE Optics + Photonics 2013 (於サンディエゴ・コンベンションセンター)の中のセッション "Solar Physics and Space Weather Instrumentation V" において、 "Design progress of the solar UV-Vis-IR telescope (SUVIT) aboard SOLAR-C" の講演を行いました。 SUVITの望遠鏡部や焦点面装置分光器の光学系が固まってきており、その状況について報告したものです。 中でも、SUVIT分光器の特徴である偏光観測可能な面分光装置(IFU)について、時間を割いて紹介しました。 SUVITにおける偏光観測について他の参加者と議論することができ、可視光・近赤外線の観測において偏光観測をどうやるかが関心の高い点であることを実感しました。 本セッションでは、衛星搭載装置から地上観測装置まで、太陽観測装置の開発について広くカバーされており、特に、 Solar Orbiter や Solar Probe Plus などのミッションについて、開発状況を知ることができたのは大変有意義でした。

(2013/10/3)