開発経緯

本日の ひので 2006.10.28〜

2006年10月31日(火) @宇宙研相模原キャンパス

<ひので状態報告>
 可視光・磁場望遠鏡(SOT) は、画像安定化装置を1周回サーボ動作させ、太陽の自転運動を0,01秒角(rms) 以下の精度で追尾したことを確認した。今夜より、画像安定化装置を連続して動 作させ、観測を実施する。これにより、磁場画像の大幅な向上が期待できる。 極端紫外線撮像分光装置(EIS) は、内部の各種メカ部の動作試験を終了した。問題なし。

2006年10月31日(火) @宇宙研相模原キャンパス

<ひので状態報告>
 可視光・磁場望遠鏡(SOT) 画像安定化装置の解析が行われ、 画像安定度は、0.009"(rms:X軸周り)、 0.007"(rms:Y軸周り)に達していることが判明した。スペックは、0.03"(rms)であり、磁場観測に威力を発揮すると期待される。本日は、軌道1周回、画像安 定化装置を動作させデータを取得する。

2006年10月30日(月) @宇宙研相模原キャンパス

<ひので状態報告>
 極端紫外線撮像分光装置(EIS)は、170A-210A、250A-290Aの2つの波長範囲で、 1秒角のスリットモードでの撮像、および266秒角x512秒角でのスロットモー ドでのファーストライト観測を実施し、一次解析が行われている。スリットモードで は、静穏太陽にも関わらず、鉄輝線群を明瞭に捉え、EISの高い分光感度・波長分解 能を確認した。スロットモードでは、小活動領域を捉え、X線望遠鏡との画像比較か ら、所期の分解能をほぼ達成していることを確認した。 EISの今後の活躍が期待され る。

 可視光・磁場望遠鏡(SOT):偏光ポーラリメーターによるファーストライト磁場データの一次解析 が行われた。ピクセルサイズは0.16秒、4.8sec のノーマル積分、スリット100点 (16秒角)、スキャン時間約8分により視線方向磁場マップを得た(円偏光線輪郭 の片側を積分)。「偏光ポーラリメーターの威力はすごい!静穏太陽でこれだけ見え るとは!」とは、担当者の言葉。静穏太陽の観測であるが、S/Nは、所期の0.1% 測光精度をほぼ達成していることを確認した。ファーストライトで、地上観測では取 得不可能な静穏太陽の磁場データを取得できた。 なお、可視光望遠鏡の画像安定化 装置は、本日初めて閉ループ制御が開始され、性能評価に入る予定である。

 可視光・磁場望遠鏡画像安定化装置が初めて起動された。一次解析によると、画像のジッ ター(注2)は直ちに100分の1(0.01)秒角程度に安定化された。これにより、高精度の 磁場観測(注1)が可能となった。
注1:磁場を求めるには、複数の画像間の機上データ処理が必要であり、画像の安定 度を画素サイズより大幅に安定化する必要がある。 注2:画像のジッター:衛星の姿勢変動や望遠鏡の微小な熱変形、光学系の中にあり 回転運動をしている偏光モジュレーション装置などにより、CCD上の画像がゆれるこ と。なお、画像のゆらぎは、並進成分だけで高次のゆがみはないため、可視光・磁場望遠鏡 内に設置されたチップチルトミラーによりほぼ完全に取り除くことができる。

2006年10月28日(土) @宇宙研相模原キャンパス

<ひので状態報告>
 極端紫外線撮像分光装置(EIS)のもう一つのドア明けが無事完了して、観測を開始した。 EISの動作は正常である。


9月23日よりこのコーナーに、随時「ひので」関係者の言葉を掲載します。この部 分は、国立天文台および宇宙航空研究開発機構の見解を表すものではありません。

週末は更新が遅れます。ご容赦ください。

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