開発経緯

本日の ひので 2006.9.23

2006年9月23日(祝)
@宇宙研内之浦宇宙空間観測所

M-V-7号機/SOLAR-Bフライトオペレーション実験主任 森田 泰弘先生のフライトオ ペレーション作業報告
実験班のみなさん、見事な成功、おめでとうございます。
今回のフライトオペは、台風や落雷の被害などで苦労しましたが、 最後は実験班全員がチーム一丸となって結束し、少しの遅れもなく 見事な成功を勝ち取ったと思いま す。つらくてもみんなで頑張って 良かった、終わってみれば最高です。
我が国独自の50年にも及ぶ固体ロケットの研究開発の集大成 とも言えるM-Vロケット は、今回の打ち上げで惜しまれつつも引退 することになりました。それはとても残念なことですが、我々はいつ かはM-Vを卒業して次の段階に進まねばなりません。その時期が 少しだけ早くやってきたというだけのことです。勝利の余韻に浸る 間もなく、新しい固体ロケットの研究開発が直ちに始まります。今回 の実験成功により、単にM-Vロケットの有終の美だけではなく、新し い時代の幕が幸先良くきれいに切って落とされたことを、大変うれし く思います。
我々が今日安心してM-Vロケットを打ち上げることができるのも ペンシル以来築きあげた堅固な土台の上に立ってのことです。新し い固体ロケットの研究開発を足がかりに、この土台をより堅固に、 より大きくして、固体ロケットをますます発展させるために、我々は 全力を尽くそうではありませんか。
「Mロケットの文化」が人と物の見事な融和を実現し、美しい打ち 上げとして実を結んだことを実験班全員で祝いましょう。 そして、この文化の良いところが今後も受け継がれていくことを 願いましょう。
みなさん、本当にお疲れさまでした。

2006年9月23日(祝) (打ち上げから1日目)
@宇宙研内之浦宇宙空間観測所

<「ひので」打ち上げ>
日本時間午前6時36分、SOLAR-B衛星がM-Vロケット7号機により、 衛星軌道上へ打ち上げられました。M-Vロケットの有終の美を飾るがご とく、打ち上げられたSOLAR-Bの軌道は、事前の予測に限りなく近い軌 道となり、パーフェクトな打ち上げでした。
さて、SOLAR-B推進室の面々を含む「ひので」衛星の開発に携わった 人々は、ある意味ここからが正念場です。JAXA/ISASの小杉「ひので」 衛星主任が打ち上げ直後の記者会見で、「打ち上げたばかりの衛星は、 へそのおが取れたばかりの赤ん坊」とおっしゃっていたとおり、開発 関係者には、これから2ヶ月間におよぶ、「ひので」衛星を一人前の 太陽観測衛星にするための膨大な作業が待っています。このページで は、「ひので」衛星を一人前の太陽観測衛星に育てていく過程を、ご 紹介していきたいと思います。
「ひので」から電波にのせて送られてくる情報では、「ひので」は 予想通りの状態で、問題なしの状態です。
下条 圭美 (国立天文台)

2006年9月23日(祝) @宇宙研内之浦宇宙空間観測所

仲秋の朔が二日月に変わろうとする頃「ひので」を迎えることができ た。VIP見学席/新宮原レーダーセンターでは、黄金色に輝く雲が切 れ、青空が垣間見られる中を「Solar-B」衛星を搭載したM-V-7号機が オレンジ色の炎を靡かせ、荘厳に舞い上がっていった。1段目分離: 75秒、2段目分離:200秒...そして午前7時21分、サンティヤゴ局の受 信により、衛星がロケットから分離され、太陽電池パドルが正常に展 開されたことが確認された。 台風(天)・落雷(地)・骨折(人) という災難の揃い踏みの中でひとつになった心は、日出(秀)づる国 から黄金の太陽研究成果を今後も発し続けていくことになるだろう。
渡邊鉄哉(国立天文台)

2006年9月23日(祝) @宇宙研内之浦宇宙空間観測所

<ひので状態報告>

衛星姿勢 正常(太陽角〜ゼロ度)
衛星電力 正常(フルパワー)
観測機器温度 すべて正常
超高精度サンセンサー 正常

すべてパーフェクト!!

9月23日よりこのコーナーに、随時「ひので」関係者の言葉を掲載します。この部 分は、国立天文台および宇宙航空研究開発機構の見解を表すものではありません。

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