「ひので」の成果を解説した DVD 「太陽のなぞに迫る」の発行
国立天文台ひので科学プロジェクトは、公開天文台ネットワーク(以下、PAONET)ひのでデータ活用ワーキンググループと共同で、第2作目となるDVD 「太陽のなぞに迫る 〜太陽観測衛星ひのでが解き明かす新たな太陽〜」(図1)を作成し、 2009年5月19日に行なわれたPAONET総会にてリリースしました。
学校の授業でも使えるDVD
これは、太陽観測衛星「ひので」の成果をビデオ作品及びHTMLコンテンツとして紹介する DVD の第2作目です。 第1作目「ひのでが見た太陽」は昨年 2008年3月に発行され、全国の科学館、公開天文台、プラネタリウムなどに配付され、収録されたムービーが各地で上映されました。
今回のDVDは、前作がやや難易度が高かった点をふまえ、より易しくわかりやすく表現することに取り組み、一般向けを目指した内容になっています。 前作と同様、DVDプレイヤーで再生できるDVDビデオ(図:2)とパソコンで閲覧できる HTML コンテンツを収めたDVD-ROM(図:3)のハイブリッドDVDとして作成されています。
今年7月22日に日本全国で見られる日食をテーマの一つとしてとりあげ、日食が起きるしくみ等を紹介したビデオ作品と、日食の安全な観測方法を説明した文書を収録しています。 日食を機会として小中学校の授業でもとりあげられるよう、プレゼンテーションファイルと指導テキストを収録し、教材としても活用できるようにしました。
全国の小中高校をほぼカバーする広範囲な配布
このDVDは、独立行政法人 科学技術振興機構(JST)の協力により、5月下旬に発行される「Science Window(サイエンスウインドウ)」初夏(6-7月)号とともに特製パンフレット付きで、全国の小中高校、科学館などに無料で1冊ずつ配付されます。 DVDがついた「Science Window」は個人でも購入(送料を含み300円)できます。購入の申し込み方法は下記「Science Window」ウェブサイトを参照下さい。 この「Science Window」は6月6日に開催される国立天文台 公開講演会においても配付される予定です。詳しくは下記リンクを参照下さい。
また、第1作目と同様に PAONET, JPA(日本プラネタリウム協議会), JAPOS(日本公開天文台協会) などの団体に加入している科学館、博物館、公開天文台などにも配付されます。 これらの施設を中心に、DVDに収録されているビデオ作品を上映するキャンペーンが2009年9月23日まで行なわれます。 上映施設など詳細はキャンペーンページをご参照下さい。
主な内容
- DVDビデオ作品 4作品 合計約20分
◦「日食の姿」
◦「コロナの謎に迫る」
◦「フレアを予測する」
◦「たいようのおくりもの」 .. 子ども向けビデオ作品
- HTMLコンテンツ (DVD-ROM)
◦日食を見よう!」.. 部分日食の安全な観察方法を紹介。
◦「太陽観測史年表」.. ガリレオから始まる太陽観測の
歴史を振り返る。
◦DVDビデオ4作品の解説文書 & 施設展示向けDVD
ビデオ作品紹介ポスター(pdf)
◦国立天文台ニュース、ISASニュース、天文月報の「ひので」特集記事 PDFを収録
◦「ひので」の高解像度を生かすハイビジョン形式ファイルもそれぞれのビデオ作品
について収録。
ひので衛星における科学成果普及のための協力体制
高額な人工衛星を用いるようなビッグサイエンスには社会の理解が必須であり、またそのようなサイエンスを行う側は社会に対して最先端の成果をわかりやすく説明することが今後より一層求められてきます。 ですが、最先端の成果を理解するには、たくさんの基礎知識が必要になり、そこに大きなハードルが立ち塞がります。 そこで、我々は科学教育のプロ集団である PAONET のワーキンググループと共同で、今回、わかりやすさを重視した教育プログラムのDVDを作成し、さらには全国の小中高校をほぼカバーする配布網をもつ科学技術振興機構 「Science Window」の協力で学校への配布を行いました。 このような多分野でのコラボレーションは他に例を見ないものです。
このDVDはマイルストーンのひとつであり、これからも我々は太陽観測衛星 「ひので」で得られた最先端の科学成果のさらなる普及を推し進めて行く予定です。
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