平成15年度Solar-B光学望遠鏡成果報告
(1)光学望遠鏡のドア展開試験をフライトドアと展開機構・機械モデルを用いて実施し、問題点を洗い出した。これによりフライトモデル展開機構の設計が固まり、製作を開始した。15年度末にフライトモデルでのドア展開試験を行う。
図1. サイドドアの展開試験の様子。
(2)光学望遠鏡のフライトモデル組立を国立天文台・高度環境試験室(クリーンルーム)で開始し、光学系の組込み・調整、光学性能の測定、構造体への温度センサー・ヒーターの実装が順調に進んでいる。光学望遠鏡は汚染が致命的になるため、厳選したクリーンルーム用品を用いて作業を行っている。また、光学部品フライト部品は光学系を除いて、全てベーキング行ない、脱ガス量を定量的に管理している。このため天文台の真空チャンバーがフル稼働している。フライト光学系の調整、性能評価には天文台の3次元測定器、干渉計、高精度平面鏡、光学定盤が活躍している。15年度末には、光学望遠鏡が一通り組み上がり、天文台の熱光学チャンバーを用いて、軌道上温度環境での光学性能の評価を行う。
フライト用の排熱鏡、2次絞り鏡と同等の光学性能を持つ試作品を作り、性能評価を行った。
図2. 光学系が組み上がり、熱計装線の実装のため、組立・試験タワーより吊り出される光学望遠鏡。
(3)高度環境試験棟屋上に、ヘリオスタット太陽追尾装置が完成し、階下のクリーンルームに太陽光を導くことが可能となった。ヘリオスタットの光学性能評価、追尾性能を検定し、16年度始めに実施予定の光学望遠鏡と焦点面観測装置(米国製作)の太陽光試験の準備を進んでいる。
図3. 高度環境試験棟屋上に完成したφ90cmヘリオスタット装置。これにより、光学望遠鏡のフル開口φ50cmでの太陽光導入試験が可能となった。
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