CLASPプロジェクトチームが国立天文台長賞を受賞!
CLASPの国際プロジェクトチームが平成28年度国立天文台長賞(研究教育部門)を受賞しました。国立天文台長賞は、国立天文台に所属する職員、または国立天文台職員を中心とするグループで、特に顕著な業績を成し遂げた者に与えられるものです。受賞の理由はCLASP実験の成功です。
CLASPは、太陽の彩層・遷移層から放たれる真空紫外線(ライマンα線)の偏光を観測することにより、彩層・遷移層の磁場を測る実験です。真空紫外線は地球大気により吸収されるので、観測装置をロケットに載せて打ち上げ、地球大気の外を飛んでいる5分弱の間に観測します。
太陽表面磁場よりも弱い上空の磁場を測るために、チームは、これまでとは異なる測定方法による新しい観測装置を7年の歳月をかけて開発しました。そして、2015年9月に打ち上げ・観測に成功しました。その後のデータ解析にも少し時間を要しますが、顕著な科学成果が生まれることが期待されています。ライマンα線の偏光測定は技術的に難しく、世界で初めてのことです。そして、CLASP実験の成功は、紫外線の偏光観測による太陽彩層磁場の測定の道を切り開いたといえます。
日本のプロジェクトチームを率いてきたPIの鹿野良平准教授のコメント
7年間、構想から開発、試験を進めてきたチームの皆の努力が、打ち上げ成功という形で実を結び、またそのことが国立天文台内でも高く評価されたことは、嬉しい限りです。基礎開発からワイワイガヤガヤ皆でやってきて、良いチームができました。それにより、チームメンバーそれぞれが、頼もしくプロジェクトを支えてくれました。CLASPでの経験と実績は大きな財産です。今後もいろいろなプロジェクトで、この財産を使えるとよいと思います。
CLASP実験について、詳しくは以下を参照ください。
http://hinode.nao.ac.jp/news/column/6clasp-clasp/
http://hinode.nao.ac.jp/news/topics/clasp/
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