2004年7月15日(木)13:00〜18:00
国立天文台(三鷹)南研究棟大会議室(花山天文台とTV会議接続)
星野真弘(東大・地球惑星)
Geotailで観たslow shockのプラズマ加熱・加速 :EIS,XRT観測へのインパクト
太陽コロナに比べて地球磁気圏は低密度(1個/cc)、磁場も弱いがAlfven速度(数百km/s)は似ている
slow-mode shock
discontinuityの中でslow shockとはっきり分かるものは1割程度しかない
Rankine-Hugoniot関係をきれいに満たさない場合が多い
一つの理由は温度の異方性:T(parallel)>T(perp)
温度の異方性まで考えたR-H関係はよりよく満たす
温度の異方性はfirehose instabilityなどを起こす→加熱、加速
温度の異方性の原因:collisionlessであるため、起源の異なるプラズマが混じる
(slow shockを通過する流れと、diffusion regionで加速された流れが混じる)
Alfven waveも温度異方性*に基づくion-cyclotron beam不安定で励起される
(* non-gyrotropic distribution)
current sheetの厚さ
J 〜 B/λ
Jは分布関数が決める
Bはpressure balance → λは1000km程度(ion gyro radius程度)
電子の加速
X pointでの加速、磁場圧縮領域でのgrad B、curvatureなどが寄与
near-earth tail: 地球へ向かうoutflow領域で顕著
distant neutral line: 尾部へ向かうplasmoidの後面(地球側)で顕著
加藤隆子(核融合研)
太陽フレアでの非平衡電離
非平衡電離過程
ひのとりの観測結果:フレアの初期も後期も非平衡、常にionizingであるようだ
(温度に対して電離度が電離平衡値より低い)
モデル:
DEM multi-temperature
high energy component
flow model
multiple loop
電離平衡に要する時間(100秒程度)より速い変化を持ち込む、flow modelか
multiple loop modelがよいのではないか。
磯部洋明(京大・宇宙物理)
磁気対流と浮上磁場
EFRのシミュレーション
2Dではうまくゆく
3Dではflux tubeをきつくよじっておかないと壊れてしまう
観測ではそれほどよじれていない
浮上の瞬間、横方向へ膨張するのを見たい
Rayleigh-Taylor不安定がAFS構造を作る。
コロナ磁場とのreconnectionで上昇が加速(パッチ状リコネクション)
対流層中の浮上:B〜3×Beqでも壊れてしまう
div V, curl Vと浮上磁場の相関:シミュレーションでもまだはっきりしない
光球下の磁場構造を明らかにしたい(石井モデルの拡張)
O.Steinerのシミュレーションにあるようなflux tube中のslow mode shockの検出(V-profile?)
粒状斑境界のvortex motionの検出
竹内彰継(米子高専)
磁束管の対流崩壊、光球下のリコネクション
convective collapse τ〜10分、磁場500G→1500G、V〜1km/s
光球の磁束:1〜3ヶ月で入れ替わる
flux cancellation現象
→ 光球下でのリコネクション
温度最低層(h=500km、T〜4000K)ではRm〜104で、極端に大きくはない
radiative relaxation timeよりJoule加熱のほうが速いので、温度上昇→電気伝導度上昇、リコネクションには不都合
光球(h=0km)ではRm〜105だがradiative relaxationが速く温度上昇が小さいのでリコネクションには好都合
リコネクションはTmin領域で始まり、光球へ向かって下がって行く
久保雅仁(東大・天文)
黒点の形成と崩壊過程
Solar-Bでは黒点の形成、消滅が磁場画像でムービー的に見られる
磁場は500G、水平、fill factor>80%の磁場として浮上
これがどのようにして強い垂直磁場になるのか
penumbraの起源(浮上のすんだ磁場? 浮上している磁場?)
Evershed flowも同時に形成
黒点の崩壊
周囲のconverging flowがdiverging flowに変わる
黒点全面で磁場が消滅して行くのか、外周からmoving magnetic featureとして
抜けて行くのか
1020 Mx/dayで減衰