原 弘久

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太陽コロナの活動現象を理解するための強力な診断装置

原 弘久(国立天文台 准教授)

「ひのでプロジェクト」に参加したのはいつですか?そのきっかけは?

 1992 年頃に、国立天文台や東大天文学教育センターの先生たちから次期太陽観測衛星SOLAR-B の計画の話を聞くようになりました。そして、1993 年はじめの博士課程 1 年生の頃に、「ようこう」衛星の軟 X 線望遠鏡の性能を向上させるにはどうしたら良いか、という漠然とした問題を常田先生より与えられて検討に加わったのが「ひので」との関わりのきっかけです。このときに考えた提案内容が、結果として「ひので」の X 線望遠鏡に取り入れられています。

「ひのでプロジェクト」の10 年間でいち押しの成果や画像は?

 多数のコロナ輝線の分光観測により、コロナの構造を捉えながら高階電離イオンの運動の様子
が可視化されたことでしょうか。特にコロナ底部から上空に向かう解像度以下の高速フローの存在が明らかになり、コロナを加熱するためのエネルギーの与え方について理解が進みました。

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太陽中央部で観測された黒点領域上空のコロナ。13 階電離した鉄の輝線による観測。(左)輝線強度、(中央)ドップラー速度(赤が赤方偏移)、(右)輝線の半値幅。1 秒角は太陽面で約 700km の空間スケールに相当。 アーチ状の構造の根元付近に集中し、上部に向かう高速フローの存在が明らかになった。(H. Hara et al., Coronal Plasma Motions near Footpoints of Active Region Loops Revealed from Spectroscopic Observations with Hinode EIS, ApJ, 678: L67-L71, 2008 May 1. より)

「ひのでプロジェクト」の 10年間で一番印象に残っている出来事や苦労したことは?

 多くの仲間と長い時間をかけて検討し、それまでにない性能を持つ科学衛星を作り上げたこと、そして観測実施直後から次々と新しい科学成果が生み出される現場で研究を進めることができたことです。たいへんな思いもしましたが、今では良い思い出です。

「ひので」で今後取り組みたいことや期待することは?

 「ひので」からは多くの論文が生み出されましたが、自身が知りたいことは、まだまだデータの中から十分に掘り出しつくせていません。特に、解像度が足りなくて空間分解できていないコロナの微細構造の特徴を、分光観測データを駆使して明らかにしたいと考えています。

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