清水 敏文

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若手時代の研究人生のすべてをかけた「ひので」

清水 敏文(ISAS/JAXA 准教授)

「ひのでプロジェクト」に参加したのはいつですか?そのきっかけは?

 1993 年頃、大学院生だった時です。「ようこう」軟 X 線撮像観測がとらえたコロナのダイナ
ミクスを理解するために、太陽表面磁場のダイナミクスの同時観測の必要性を痛感しました。80cm 径可視光望遠鏡の若手有志の検討への参加や画像圧縮や協調観測制御の搭載系検討を始めました。

「ひのでプロジェクト」の10 年間でいち押しの成果や画像は?

 大規模な磁気浮上を一部始終観測に成功した連続画像です。どこで浮上が始まるかの予測ができないため、10 年間の観測で唯一です。黒点半暗部の形成や磁気浮上に対する彩層・コロナ応答についての興味深い成果が得られています。また、科学成果ではありませんが、衛星打ち上げから3 日目頃に内之浦の衛星管制室で撮られた画像(集合写真)です。初期運用は、10 年間の「ひので」成果を生み出すために不可欠な運用上の原点です。技術者や科学者らが一致団結してトラブルなく順調に定常観測運用に駒を進めたことは、私たちは忘れるべきではありません。

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「ひので」が観測した磁気浮上の連続画像

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打ち上げ直後の内之浦での集合写真

「ひのでプロジェクト」の 10年間で一番印象に残っている出来事や苦労したことは?

順風満帆であった「ひので」の衛星運用でしたが,最大の苦境が 2007 年末に突然やって来ました。科学データを高速に伝送する X 帯通信系の変調器の不調です。伝送量が格段に少ない S 帯回線を用いて科学運用の継続を図るために、坂東貴政さんらと運用上の様々な試行錯誤や多様な方々と未知の調整を行ったことは最も苦労したことであり、また貴重な経験でもありました。

「ひので」で今後取り組みたいことや期待することは?

 IRIS との分光装置どうしの高時間分解能観測、ALMA との協調観測、長時間にわたる磁場構造の変遷やフレア発現の理解を目指した精密ベクトル磁場に基づく研究、などまだまだ取り組みたいことはたくさんあります。2020 年までの第Ⅲ期ミッション運用延長期間における研究を院生の
皆さんらとともに盛り上げ、その活動を 2020 年代の新たな展開(DKIST やSolar Orbiter 等との連携、新たな衛星ミッション SOLAR-C)につなげられると良いと思います。

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