未知との遭遇、それが道になる
岡本 丈典(国立天文台 NAOJフェロー)
「ひのでプロジェクト」に参加したのはいつですか?そのきっかけは?
打ち上げ前年の 2005 年、当時京都大学博士 1 回生。東京のメンバー主体で開発されていた SOLAR-B ミッションに京都からも関与する人を、という常田佐久氏から柴田一成氏への要望に沿って、打ち上げ前試験データの解析に参加させてもらいました。その時の仕事ぶりを評価していただき、翌年から研究委託制度で国立天文台に居つくことに。
「ひのでプロジェクト」の10 年間でいち押しの成果や画像は?
「目立つように」黄色で色付けしたプロミネンスの画像(上図)が策略どおりに世に広まり、これにより私の評価も高めてもらえた点では重要ですが、会心の研究はこれではなく、プロミネンス形成に関連する螺旋浮上磁場を捉えたものです(下図)。結果がセンセーショナルであり、今も賛否が両極端に激しいですが、自分 1 人で研究完成まで進めたため、研究者として生きていく自信がつきました。
「ひのでプロジェクト」の 10年間で一番印象に残っている出来事や苦労したことは?
開発に関わったわけでもなければ、電子・機械・光学などに全く教養がない中で、衛星や望遠
鏡の仕組みについてひたすら勉強したことですかね。そして、京都から東京に移る際、勝川行雄氏から「SOLAR-B と心中する気がなければ来るな」と言われたことが、自分のこれまでの成果と今の立ち位置に大きく影響している気がします。
「ひので」で今後取り組みたいことや期待することは?
太陽の代表的な構造であるプロミネンス、スピキュール、グラニュール、黒点をテーマに論文
を書くのを何となくの目標にしていました。最初の2つは既に書いて、グラニュールはメインテーマではないですが一応それっぽいのを出しています。そして近々黒点で 1 本おもしろいのを出す予定です。お楽しみに。
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